理事長・院長ご挨拶
開設70周年を迎えて
当院が目指すもの
理事長 藤本 莊太郎
当院は、昭和25年に明石市立市民病院として開院し、市民の皆様の生命と健康を守り、信頼される病院を目指して、それぞれの時代のニーズに即した医療機能の充実に努めてまいりました。平成23年10月には、“地方独立行政法人明石市立市民病院”として明石市とは一定の距離を置いた独立した責任ある立場で地域医療と向き合い、平成25年11月からは地域医療支援病院となって各専門診療科の医師の増員や診療科の増設・充実に積極的に取り組み、新たな診療体制と経営基盤の改善に取り組んでまいりました。
平成29年4月からは、総合内科、血液内科、腎臓内科、糖尿病内科、循環器内科、消化器内科、神経内科、心療内科・精神科、小児科、外科、一般外科・乳腺外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、皮膚科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、救急診療科、病理診断科、健診科の24診療科からなる診療体制で総合病院機能を充実させました。また、地域から強く望まれていました救急医療の充実におきましては、総合内科と救急診療科が前面に立って各専門診療科がチーム医療でバックアップする救急応需体制を強化しました。平成29年度の年間救急車搬入患者数は3,356人となり、明石市内にとどまらず神戸市西区・垂水区の救急隊とも密な連携を図って救急医療に貢献しています。
地方独法化後の診療体制は急性期医療を中心として年々充実し、経常収支も黒字経営が定着するなか、お陰様にて令和2年10月1日には開設70周年を迎えることができました。
さて、国の医療政策はこの数年間で劇的に変化してまいりました。2025年には戦後団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、世界に類を見ない超高齢社会が到来します。国はそれに備えた施策として、介護と医療を一体化することにより社会福祉、地域医療の在り方を“地域包括ケアシステム”を軸とした地域医療構想を推し進めて地域医療を根本から変革しようとしています。病院・病床の機能を高度急性期、一般急性期、回復期、慢性期に分化することにより、急性期→回復期→慢性期→在宅へと地域における入院医療の効率的な道筋を整備しようというものです。当院は、“市民のための市民病院”ですのでこの国の施策に則って急性期医療に偏らないで、回復期医療にも軸足を置いて慢性期病院や在宅医療ともしっかりとした連携を図り、“在宅から入院、そして在宅へ”を病院理念として地域医療支援病院の責務を果たしてまいります。
医療変革の時代ではありますが、常に市民の皆様に患者中心の安全で安心の高度医療を提供できるように努力いたしますのでご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
内科系/外科系連携による救急体制の整備・
併存疾患を有するリスクの高い
患者さまへの安全な手術療法・
新型コロナウイルス感染症への対応など
新しい市民病院の診療体制を紹介します
院長 阪倉 長平