臨床検査課
病院に携わる職種は、医師や看護師をはじめ数多くの技術職がいます。その中で生体内の情報(詳しくは下記の各検査をクリックしてください)を調べているのが臨床検査技師です。業務内容は大きく分けると、人体から採取した材料(血液、尿、組織など)を使って病状を把握する検体検査と、直接患者さんの身体に器具をつけて検査する生理検査があります。
「検査データを正確・精密・迅速に」を基本方針に掲げており、みなさまが安心して受診できる医療に貢献します。
各種認定資格及び国家資格取得者
超音波検査士
国際細胞検査士
細胞検査士
糖尿病療養指導士
管理栄養士
緊急臨床検査士
有機溶剤作業主任者
特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者
化学物質管理者
臨地実習指導者
生化学検査
血液から種々の蛋白質や酵素、脂質、糖などを自動分析装置により測定することで、肝臓をはじめとし、心臓、腎臓などの各臓器の異常を早期に見つけることができます。
緊急で検査依頼の場合は、患者さんの採血後40分程度で検査結果の報告をしています。
また、微量蛋白や甲状腺ホルモン、腫瘍マーカー等についても医師より緊急依頼があれば検査結果を約1時間で医師へ報告しています。
輸血・免疫検査
感染症検査として、HBs抗原・抗体やHCV抗体に代表される肝炎ウイルス検査、梅毒検査、HIV検査、マイコプラズマ抗体などの検査を行っています。
また、輸血検査として、血液型判定や交差適合試験、輸血副作用をおこす不規則抗体の検出・同定も行っています。
これらの検査は、安全かつ迅速な輸血療法を行うために重要な意義をもちます。
2022年5月からCOVID-19抗原定量検査を免疫測定装置にて開始しました。
検査時間は前処理時間を含め約30分です。
血液検査
一般検査
病理検査
体液(喀痰・尿・腹水・胸水など)から得られた細胞、婦人科領域では子宮から採取された細胞、乳腺・甲状腺では細い針を刺して吸引された細胞を標本作製後染色して悪性細胞や異型細胞がないか顕微鏡で調べます。検査は細胞検査士の資格をもつ技師が担当しています。
胃や大腸の内視鏡検査で病変の一部をつまみとって標本にし、それを顕微鏡で調べて癌かどうかを診断します。
手術で摘出された組織や臓器を肉眼的に観察し病変の大きさや広がりを調べます。病変の一部または全体から標本を作製して顕微鏡で観察し、その病変が癌かどうか、炎症かどうか、病変がどの程度広がっているか、どのような性格のものかなどを調べます。
手術中に採取された病変の一部を30分程度で標本にし、術者に報告して手術方針や手術範囲を決定することもあります(術中迅速診断)。
診断は病理医により行われます。
患者さんが亡くなった時、病変がどのようなものであったか、どれくらい広がっていたか、死因や治療効果などについて調べるために病理解剖を行います。ご家族の承諾をいただいた場合にのみ行います。
臨床検査技師は、病理解剖の介助も行っています。
細菌検査
感染症を疑う患者さんから採取された材料(血液、髄液、喀痰、尿、便、膿など)の中に感染症の原因となる微生物(細菌、真菌、ウィルス、原虫など)がいるかどうか、またその微生物に効果のある抗菌薬は何かを調べる検査を行っています。
定期的あるいは随時、院内感染管理に役立つ情報を提供したり、薬剤耐性菌の出現にも注意を払っています。
近隣の病院とも連携し情報交換かつ病院関連感染の防止にも力を入れています。
2023年8月から抗酸菌「結核菌や非結核性抗酸菌(MAC症)」の核酸検出検査(PCR法)を実施しています。
前処理に約1時間で、装置による測定時間は約45分ですので約1時間45分で結果報告可能となります。
結核菌の否定や肺MAC症との鑑別に寄与できる検査のひとつです。
電気生理検査として、心電図検査、肺機能検査、血圧脈波検査、神経伝導検査、脳波検査、終夜睡眠ポリグラフィー、体成分測定などを行っており、心電図検査、肺機能検査、血圧脈波検査は常時受け付けています。
超音波検査は、腹部・心臓・頸動脈・乳腺・甲状腺・腎血管・下肢動静脈・VA・精巣・皮膚科表在など、幅広く検査を行っています。
また、耳鼻科外来に赴き、聴力検査やティンパノメトリー等の検査も行っています。
心電図
心電図(安静時)
心臓の筋肉が全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返すとき、微弱な活動電流が発生します。
その変化を波形として記録し、不整脈・狭心症・心筋梗塞等の診断に役立てます。
検査方法は、両手首、両足首と胸に6ヶ所電極を付けてベッドに寝ていただき、安静にするだけで、痛みもなく数十秒間で終わります。
イベント心電図
6日間、小型心電計を装着することで発生頻度の低い不整脈などの症状を検査します。
心電計が異常と判断した時と、ご自身で心電計のボタンを押した時の心電図を記録します。
検査方法は胸に電極と小型心電計を貼り付けて帰っていただきます。
記録3日目に電池の交換などをしていただく必要があります。
普段通りに過ごしていただき、6日後に取り外しに来ていただきます。
ABPM(24時間自由行動下血圧測定)
24時間、血圧の推移を検査します。日中は30分毎、夜間は1時間毎に血圧を測定します。
検査方法はカフ(腕帯)を一方の腕に巻き、小型の機械を腰付近に装着して帰っていただきます。
入浴・シャワーは出来ませんが、食事などに制限はありません。
翌日、機械の取り外しに来ていただきます。
肺機能検査
血圧脈波検査(ABI・CAVI)
神経伝導検査(NCS)
脳波検査
終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)
睡眠時無呼吸症候群の検査です。
「大きなイビキをかく」「日中いつも眠い」「居眠り運転をよく起こしそうになる」「夜間の呼吸停止を指摘される」「夜中に何度も目が覚める」「起床時の頭痛やだるさがある」等の症状がある人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性がありますので、主治医に相談してください。
体成分測定
耳鼻科検査
耳鼻咽喉科外来で、聴力検査、ティンパノメトリー(鼓膜検査の一つ)、耳小骨反射(アブミ骨筋反射)、重心動揺検査(めまい等の検査)を行い、難聴やめまいなどの診断に役立てます。
腹部エコー
心エコー
小児心エコー
学校の身体検査などで心臓の精査が必要になった場合や、聴診異常があった場合、また川崎病の経過観察などで小児循環器医師と共に行っています(第1・3・5木曜日午後から要予約)。
血管エコー
頸動脈エコー
頸動脈はアテローム性動脈硬化の好発部位であり、エコー検査でプラークの有無や性状、血流を調べることにより全身の動脈硬化の程度を把握することができます。
検査時間は30分~40分です。
下肢静脈エコー
深部静脈血栓の有無を調べます。
静脈血栓症は全身の表在や深部のどの静脈にも起こりえますが、下腿静脈由来の深部静脈血栓は致命的となりうる肺塞栓を生じる頻度も高く、下肢静脈を検査することは臨床的に重要です。
検査時間は20分~40分です。
下肢動脈エコー
動脈硬化による血管の狭窄や閉塞の有無を調べる検査です。
検査時間は60分程度です。
VAエコー(シャントエコー)
安定した透析を行うためにシャントを良い状態に保つことが必要となります。
通常、半年から1年に一度の定期的なVAエコーで、シャントの状態を観察し、治療に役立てています。
また、動静脈を見て、シャント作製部位の助言も行っています。
検査時間は60分程度です。
表在エコー
乳腺エコー
女性技師が行います。
乳腺の状態や腫瘍の有無、リンパ節の腫れがないかを調べます。
検査時間は30分~40分です。
甲状腺エコー
甲状腺の大きさや腫瘍の有無、リンパ節の腫れがないかを調べます。
甲状腺内の血流の状態や甲状腺へ流れ込む血管(上甲状腺動脈)の血流評価も行い、炎症等の診断の補助にします。
検査時間は30分程度です。
精巣エコー
男性技師が行います。
精巣や精巣上体、精索等の状態を調べる検査です。
検査により精巣炎(睾丸炎)・精巣上体炎(副睾丸炎)・精液瘤・陰嚢水腫・精巣腫瘍・精巣捻転などの診断の補助にします。
検査時間は20分~30分です。
皮膚科エコー
高周波超音波機器を用いて、皮膚に出来た腫瘤の位置や形状、内部血流などを調べます。
検査時間は20分~30分です。